個人の自由研究として、営業担当の時間を奪っている業務5つについて、「生成AIを使ったら実際どれくらい楽になるのか(あるいはならないのか)」を調べて比較してみました。
英語圏・日本語圏から計80件以上のソースを集め、業務ごとに「効くところ」「効かないところ」「使うなら気をつけること」を整理しています。結論から言うと、5つの業務すべてで「効く場面」はあるが、「丸投げできる業務」は1つもなかった。
この記事でやったこと
- 調査対象: 営業担当の時間を最も奪っている5つの業務における生成AI活用の実態
- 参照した情報: 英語圏の調査レポート(LinkedIn, HubSpot, ZoomInfo, Loopio, Crayon等)、業務別の実践ガイド(SaaStr, Cognism, Skaled等)、ユーザーレビュー分析(G2, Capterra経由)、法律事務所の分析(Faegre Drinker, White & Case)、日本語の調査データ(BOXIL, パーソルビジネスディベロップメント, セレブリックス等)、メディア記事(ITmedia, 東洋経済等)
- ソース総数: 80件以上(英語50件超、日本語30件弱)
- 調査日: 2026-02-22
- 補足: 調査レポートの多くがベンダー発行であることに留意。複数ソースでの裏取りを意識して整理している
- 関連記事: 【調べてみた】営業AI「導入したのに使われない」問題 — 本記事の「効かない」側の背景をより深く扱っている
まず: 営業の「時間泥棒」はどこにいるのか
営業担当は忙しい。問題は、忙しさの中身のほとんどが「売る」行為そのものではないこと。
| データ | 出典 |
|---|---|
| 営業担当は勤務時間の25%しか直接販売に使っていない | LinkedIn 2025 |
| 21%をメール作成に費やしている | VipeCloud |
| 見込み客1件の調査に15〜30分。1日10件で5時間が消える | Skaled |
| CRMデータ入力だけで1日90分 | B2B Outbound Systems |
| 営業担当の時間の37%がリサーチに消える | Salesforce State of Sales |
つまり、営業担当の1日のうち3/4は「売る以外のこと」に使われている。この「売る以外のこと」が時間泥棒であり、生成AIが効く可能性があるのもこの領域ということになる。
今回は、複数のソースで共通して時間泥棒として挙がっていた5つの業務を取り上げ、それぞれの「AIの効き具合」を比較した。
効き具合マップ(早見表)
| 業務 | 奪われる時間 | AIの効き具合 | 丸投げできるか | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| A. メール作成 | 1日の21% | ★★★★☆ 最も成熟 | ✗ 98%が編集する | そのまま送ると「AI臭い」文面で逆効果 |
| B. CRMデータ入力 | 1日90分 | ★★★★☆ 自動化が進行中 | △ 通話→自動入力は可能 | データ品質が前提。ゴミを入れるとゴミが出る |
| C. 議事録・通話要約 | 商談ごとに30-60分 | ★★★☆☆ 条件付きで有効 | ✗ 社内用語を誤認識する | 顧客の録音同意と「監視カメラ」問題 |
| D. 見込み客リサーチ | 1件15-30分 | ★★★☆☆ 下調べまで | ✗ 数字を間違える | ハルシネーション(でたらめ生成)に要注意 |
| E. 提案書・資料作成 | 1件12.6時間 | ★★☆☆☆ 部分的のみ | ✗ 修正がゼロより重い場合あり | 受け手がAI生成を見抜き始めている |
A. メール作成(最もAIが効く業務)
どれだけ時間を奪っているか
営業担当は1日の21%をメール作成に費やしている(VipeCloud)。コールドメール(新規アプローチ)、フォローアップ、お礼メール、紹介依頼…種類も多い。
AIが効くところ
メール作成は、調べた範囲で生成AIが最も成熟している営業業務。ChatGPTを直接使う方法から、CRM内蔵のAI機能まで、選択肢が最も多い。
- HubSpotの調査では、AI利用者の64%が週1〜5時間の節約を報告
- Cognism社のプロの実践として、Morgan J Ingram氏はメールのトーン分析→相手に合わせた文面生成を推奨
- パーソルBD(パーソルグループの営業支援会社)の検証でも、メール草稿作成は「効果を実感した業務」に入っている
特に効くパターン:
- 相手の情報(LinkedIn、企業サイト)を入力して、パーソナライズしたメールの草稿を作る
- 自分で書いたメールの改善提案をもらう(レビュアーとしての使い方)
- 複数パターンのバリエーションを出して、テストする
AIが効かないところ
ただし、98%の人がAI生成テキストに何らかの編集を加えている(HubSpot)。つまり「生成→送信」はほぼ誰もやっていない。
MarketBetter社は「2025年は完全自律型のAI新規開拓ツールが失敗した年」と総括している。AIが自動送信したメールは「どの会社にも当てはまる汎用的な内容」になりがちで、受け手にすぐ見抜かれる。
SaaStr創業者のJason Lemkinが紹介した事故事例: 会計ソフト企業のAIが、3週間チェックされないまま「ブロックチェーン戦略」のメールを顧客に送り続けていた。
使うなら気をつけること
- AIの出力をそのまま送らない。必ず自分の言葉で手を入れる
- 相手の情報を具体的に入力するほど、出力の質が上がる
- 最初の90日間は毎日、出力内容をチェックする習慣をつける(SaaStr)
B. CRMデータ入力(自動化が最も進んでいる業務)
どれだけ時間を奪っているか
B2B Outbound Systemsの分析によれば、CRMデータ入力だけで1日90分。通話内容の記録、商談ステータスの更新、連絡先情報の追加…地味だが確実に時間を食う。
AIが効くところ
CRM入力は、生成AIの中でも自動化が最も進行している領域。通話内容をAIが自動でCRMに記録する仕組み(Scratchpad, Salesforce Einstein等)が急速に普及している。
- ZoomInfo調査(1,002名): AIアシスタント機能のユーザーは非利用者より60%多くデモを獲得
- Scratchpad社の報告: AI Agentが通話→CRM更新→フォローアップの一連を自動化。手動入力ゼロ化の事例
特に効くパターン:
- 通話後のCRM更新の自動化(音声認識→要約→フィールド入力)
- 名刺情報→CRM登録の自動化(JAPAN AIラボの事例)
- 商談ステータスの自動更新
AIが効かないところ
Salesforce Japanは「SFA/CRMへの正確なデータ入力がなければAIは宝の持ち腐れ」と明言している。つまりAIを活用するためのデータ品質が、CRM入力の質に依存している。
ここに構造的な矛盾がある。CRM入力を自動化したいのにCRMのデータ品質が悪い → AIの出力も悪くなる → 信頼されない → 使われない。
Capital One / Forrester調査(500名)では、73%のデータリーダーが「データ品質と完全性」をAI成功の最大の壁として挙げている。
Sharp Business Systems社は、AI導入を一時停止してデータインフラの再構築に6ヶ月を費やした。再ローンチ後、営業チームの80%がAIを使うようになったという。
使うなら気をつけること
- AIを入れる前に、CRMのデータ品質を確認する。ゴミデータの上にAIを載せても意味がない
- 「自動入力されたデータが正しいか」の確認フローを最初に作る
- CRMに既存のAI機能が搭載されている場合は、まずそれを試す(別タブのツールは使われなくなる)
C. 議事録・通話要約(条件付きで有効、ただし落とし穴が多い)
どれだけ時間を奪っているか
商談後の議事録作成、通話内容の要約とCRMへの入力。1件あたり30〜60分程度。さらに人間のメモでは重要ポイントの60%しか捉えられない(Sybill社の業界ベンチマーク)という問題もある。
AIが効くところ
AI議事録・通話要約ツール(MiiTel, ACES Meet, Notta, Gong, Otter等)は、日本でも導入が加速している領域。
MiiTelを150名規模で導入したセレブリックス(営業コンサルティング企業)の事例:
- 苦手だったメンバーが3ヶ月でパフォーマンス3倍
- インサイドセールスの成績が130%改善
- 新人の立ち上がり期間が半分に短縮
- トーク比率やキーワード分析による、データに基づくコーチングが可能になった
特に効くパターン:
- 通話内容の自動文字起こし→要約→CRM入力の一連自動化
- ハイパフォーマーと苦手メンバーの通話パターン比較
- 新人研修で実際の商談音声を教材として活用
AIが効かないところ
落とし穴1: 社内用語を誤認識する
ITmedia(2025年のメガヒット記事)が報じた事例: 新入社員がAIに議事録を任せたところ、社内略称を誤変換した。「プロ部」→「プロブ」、「デ研」→「出県」、「期ナカ」→「木中」。
問題はドメイン知識がない人はこの誤りに気づけないこと。ある大手IT企業は新人に最初の3ヶ月間、AIによるコード生成を禁止している。理由は「生成されたコードが正しいか検証できないから」。議事録も同じ構造で、業務を知らない人ほどAIの誤りを見逃す。
落とし穴2: 「監視カメラ」問題
Gongのユーザーレビュー集約(tldv.io、G2/Capterra/Reddit 20件分析)では:
- 「すべての発言が記録・スコア化される監視感」
- 「Gongのデータをもとに改善指導(PIP)が組まれた」
- 「営業がツールにログインしなくなり、別ツールに乗り換えた」(Redditの営業オペレーション担当者の投稿)
Jiminny社(通話分析ツールベンダー)も「営業が抵抗するのは、自分のやり方が丸裸にされるから」と認めた上で、「監視ではなくコーチングとして位置づけると抵抗が和らぐ」と提案している。
落とし穴3: 録音の同意と法的リスク
日本のB2B商習慣では、商談の録音は顧客の同意が前提。ailead.app(日本のSaaS企業)は録音許可の取り方として「目的を明示する」「利用範囲を説明する」「データ管理方法を伝える」の3ステップを推奨している。無断録音は法的には直ちに違法ではないが、顧客との関係を壊すリスクが高い。
米国でも法律事務所(Faegre Drinker, White & Case)が警告を出している:
- 州によって録音の法的要件が異なる(一者同意 vs 全者同意)
- 音声録音・文字起こし・AI要約・正式議事録の4バージョンが存在すると、訴訟時に矛盾が生じるリスク
- ツールベンダーが録音データをAIの学習に使う可能性(Zoomの利用規約問題で炎上した前例あり)
使うなら気をつけること
- 導入前にチームに説明する。「監視」ではなく「コーチング・スキルアップ」の文脈で
- 顧客への録音同意の取り方をルール化する(ailead.appの3ステップが参考になる)
- 新人はまず手動でメモを取る経験を積んでから、AIを併用する(ITmediaの知見)
- 出力に社内用語の誤変換がないか、ドメイン知識のある人がチェックする仕組みを作る
- 深掘り記事: 【調べてみた】議事録AI、導入前に知っておきたい5つの落とし穴 — 精度の3層問題、監視カメラ化、法的リスク等を100件超のソースで調査
D. 見込み客リサーチ(下調べまでは速い、数字には要注意)
どれだけ時間を奪っているか
見込み客1件あたりの調査に15〜30分(Skaled)。企業情報、業界動向、キーマンの経歴、最近のニュース…1日10件で5時間が消える。Salesforceの調査では営業時間の37%がリサーチに使われている。
AIが効くところ
見込み客リサーチは、ChatGPTを直接使うパターンが最も多い業務(BOXIL営業調査: 使用ツール1位は「生成AI(ChatGPT等)」62.7%)。
Skaled社の事例では、ChatGPTを使った見込み客調査で1件15〜30分→数分に短縮。週4時間以上の節約が報告されている。
特に効くパターン:
- 企業の概要・業界ポジション・最近のニュースの要約
- LinkedIn上の情報から、商談前のアイスブレイクネタを準備する
- 業界トレンドの整理と、それに基づくアプローチ仮説の壁打ち
DHBR(ハーバード・ビジネス・レビュー日本版)は、北欧の重工業メーカーが200ページの年次報告書に埋もれていた戦略的に重要な土地取得情報を、人間のアナリストが見逃した事例を紹介している。大量の文書から重要シグナルを拾う「読み手としてのAI」は有効。
AIが効かないところ
数字を間違える。しかも堂々と。
Beauhurst社(英国の企業データプロバイダー)がChatGPTにノッティンガムの大企業の売上を聞いたところ、Boots UKの2020年売上を**£7.47B(約74.7億ポンド)と回答した。実際の数字は£5.90B**。26.6%の過大報告(£1.57Bの誤差)。
KuraberuAI(日本のAI比較サイト)も「AIは統計的にそれらしい文章を作るので、自信満々に間違った情報を回答するケースが少なくない」と警告している。存在しない製品情報や古い価格データをもっともらしく提示するリスクがある。
もう1つの問題: 「今この商談にどの競合がいるか」はAIにはわからない。
Klue社(競合情報プラットフォーム)は「ChatGPTは今この案件にどの競合がいるか、前回の通話で買い手が何を言ったか、昨日の価格変更は何かを教えてくれない。このレベルの精度がないと、営業が古い情報や間違った情報を引用して、商談の場での信頼を損なうことになる」と指摘している。
つまり、調べ物の出発点としては速いが、そのまま顧客に提示する情報としては使えない。
使うなら気をつけること
- AIの出力する数字・事実は必ず一次情報で裏取りする
- 「リサーチの出発点」として使い、最終確認は人間がやる
- 企業の財務データや価格情報はAIに聞かず、公式サイトやデータベースで確認する
- 大量の文書をスキャンして重要ポイントを拾う「読み手」として使うのが最も安全
E. 提案書・資料作成(最も過大評価されている業務)
どれだけ時間を奪っているか
Loopio社の2024年RFPベンチマーク調査によれば、提案書1件あたりの平均作業時間は12.6時間。そのうち64%はコンテンツの検索・再利用に使われている。つまり約8時間は「過去に書いた内容を探す」作業。
BOXIL営業調査でも、AI活用業務の1位は「提案資料作成」(40.0%)だった。時間がかかる業務だからこそ、AIへの期待が大きい。
AIが効くところ
部分的には効く。
三菱総合研究所は社内で提案書作成支援ツールを開発し、「人間×AI反復型」のワークフローを設計している。AIが最終スライドを5分で生成するが、そこに至るまでに人間が何度も内容を確認・修正する反復プロセスが組み込まれている。
特に効くパターン:
- 過去の提案書からの内容検索・再利用(12.6時間のうち64%を占める作業の効率化)
- 書き出しが浮かばない「白紙の恐怖」の突破(たたき台の生成)
- 自分で書いた文章のレビュー・改善提案をもらう
- 複数のアプローチ案をAIに出してもらい、壁打ち相手にする
パーソルBDの検証でも、効果を実感したのは「壁打ち」「要約」「草稿作成」など、正解が1つではないタスクに集中していた。
AIが効かないところ
問題1: 修正がゼロから書くより重くなることがある
Loopio社の指摘が最も直球: 「時間短縮は見せかけの場合がある。質の悪いAI生成提案書の修正は、ゼロから書くより手間がかかることが多い」。
AutogenAI社(AI提案書ツールのベンダー自身)も「汎用的なAI(ChatGPT等)では提案書は書けない」と認めている。理由: 提案書は各セクションが独立して評価され、エビデンスやケーススタディの提示が必須で、クライアントごとのテーマ(コスト効率、革新性等)を織り込む必要がある。
問題2: 「誰にでも当てはまる」文面になる
Demand Gen Report(B2Bマーケティング専門メディア)は、提案書の評価者がAI生成コンテンツを見抜き始めていると報じている。見抜くサインは:
- どの業界にも当てはまる汎用的な書き出し
- 不自然に均一な文体
- 「世界クラス」「比類なき」のような裏付けのない表現
- 具体的な社名・数字を避けた記述
- 予想外の言い回しや個人的な洞察がない「個性ゼロ」の文面
問題3: 顧客のことを知らない
Trident Proposals社(政府調達向け提案書のコンサルタント): 「ChatGPTは『要件をどう対処すべきか』は書けるが、『御社がどう対処するか』は書けない。御社固有のリソース・実績・能力にアクセスできない」。
Reprezent社が11のAIプレゼン作成ツールを実際にテストした結論も「初稿の出発点以上のものではない」。
使うなら気をつけること
- 「AIに提案書を書かせる」のではなく「AIに壁打ちしてもらう・レビューしてもらう」と捉える
- 過去の提案書の検索・再利用にAIを使うのが、最もROI(費用対効果)が高い
- 最終的な文面には、自社と顧客に固有の情報を必ず人間が書き加える
- AI生成をそのまま出すと、受け手に見抜かれるリスクがあることを意識する
- 深掘り記事: 【調べてみた】提案書AI、修正地獄を避ける使い方 — 「修正コストの逆転」「バレる問題」等を60件超のソースで調査
この比較から見えたこと
5つの業務を並べてみて見えてきたことが3つある。
1. 「丸投げできる業務」は1つもない
5つすべてで「AIの出力をそのまま使う」ことのリスクが報告されている。メール(98%が編集)、議事録(社内用語誤認識)、リサーチ(26.6%の数字誤差)、提案書(修正コストの逆転)。CRM入力が最も自動化に近いが、それもデータ品質が前提条件。
2. AIが最も効くのは「自分で考えた後の加速」
5つの業務に共通して、AIが効いているパターンは:
- たたき台を作ってもらい、自分で手を入れる
- 自分が書いたものをレビューしてもらう
- 壁打ち相手として使い、選択肢を広げる
- 大量の情報をスキャンして要点を拾ってもらう
逆に効かないのは「考える前にAIに答えを求める」パターン。bizreboot.net(40代営業職の個人ブログ)が報告した「考えなくなる」落とし穴がまさにこれ。
3. 業務によって「効き始める条件」が違う
| 業務 | 効き始める条件 |
|---|---|
| メール作成 | ChatGPTだけで今日から始められる。ただし編集は必須 |
| CRM入力 | CRMのデータ品質が整っていることが前提 |
| 議事録 | チームの同意、顧客の録音同意、社内用語辞書の整備 |
| 見込み客リサーチ | ChatGPTで今日から始められる。ただし裏取りは必須 |
| 提案書作成 | 過去の提案書がデータベース化されていると効果大 |
メールとリサーチは「とりあえずChatGPTで試せる」が、議事録とCRM入力は「下準備が必要」、提案書は「使い方を間違えると逆に時間がかかる」。この差が、「AIを入れたのに使われない」問題の業務別の内訳でもある。
定量データまとめ
時間泥棒の規模
| データ | 出典 |
|---|---|
| 勤務時間の25%しか直接販売に使っていない | LinkedIn 2025 |
| 1日の21%をメール作成に費やす | VipeCloud |
| CRMデータ入力に1日90分 | B2B Outbound Systems |
| 見込み客1件の調査に15〜30分 | Skaled |
| 営業時間の37%がリサーチ | Salesforce State of Sales |
| 提案書1件あたり12.6時間 | Loopio 2024 |
| うちコンテンツ検索・再利用が64% | Loopio 2024 |
AIで効果が出ているデータ
| データ | 出典 |
|---|---|
| AI利用者は47%の生産性向上 | ZoomInfo(n=1,002) |
| 64%が週1〜5時間の節約 | HubSpot 2024 |
| AIアシスタント機能ユーザーは60%多くデモ獲得 | ZoomInfo 2025 |
| 見込み客調査が1件15-30分→数分に短縮 | Skaled |
| インサイドセールス130%改善(MiiTel導入後) | MiiTel/セレブリックス事例 |
| 新人の立ち上がり期間が半分に | MiiTel/セレブリックス事例 |
| 営業でのAI成果実感率 66.9% | BOXIL営業調査(n=389) |
AIが効かない・リスクがあるデータ
| データ | 出典 |
|---|---|
| 98%がAI生成テキストを編集 | HubSpot 2024 |
| ChatGPTの財務データ誤差 26.6%(£1.57B) | Beauhurst実テスト |
| バトルカード(競合情報資料)を作っても、26%しか十分に使われていない | Crayon 2024 |
| AI導入しても28%しか改善を実感していない | Highspot(n=463) |
| AI提案書の修正がゼロから書くより重くなるケースあり | Loopio |
| 人間のメモは重要ポイントの60%しか捉えない(→AIの方が多く拾える反面、誤りも混じる) | Sybill |
注意点
- ここでの整理は「この業務にはこのツール」という推薦ではなく、「調べた範囲で見えた効き具合の傾向」の報告です
- 営業スタイル(新規開拓/ルート営業/インサイドセールス)、業界、企業規模によって効き具合は大きく変わります
- ベンダー発の調査レポート(HubSpot, ZoomInfo, Loopio, Crayon, MiiTel等)には自社に有利な数字が選ばれている可能性があります
- ツール名は2026年2月時点のもの。この分野の変化は非常に速いため、半年後には状況が変わっている可能性があります
- 姉妹記事「営業AI「導入したのに使われない」問題」で、ここで挙げた「効かない」の背景にある構造を詳しく扱っています
- 関連記事: 【調べてみた】新人営業の最初の3ヶ月、AIをどう使う/使わない — 新人営業の視点から、ここで挙げた5業務の「使い方」を段階的に整理している
- 関連記事: 【調べてみた】営業AIエージェント、「自動で売れる」の期待と現実 — 5業務を横断する「AIエージェント」の期待と現実。83%が不発、効いている3条件
- 定点観測: 【定点観測】営業AIの採用率と失敗率 2026年初頭 — 各業務のAI効き具合の背景にある、採用率・成功率・市場全体の数字を定点観測
- 関連記事: 【調べてみた】AI営業メール、送った先で何が起きているか — メール作成(業務A)の「効く条件」を送信側・受信側の両面からさらに深掘りした記事
- 関連記事: 【調べてみた】初回商談の前日にChatGPTでやる30分の準備 — 見込み客リサーチ(業務D)を初回商談の前日30分に絞り込んだ場面別ガイド
調査カード
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査日 | 2026-02-22 |
| 調査ソース | 調査レポート 15件 / メディア記事 12件 / ベンダー記事 20件 / 実務家ブログ 8件 / 個人ブログ・体験記 5件 / ユーザーレビュー分析 3件 / 学術レポート 3件 / コンサルレポート 4件 / 法律事務所分析 2件 / ツール実テスト記事 2件 |
| ソースの言語 | 英語 50件超 / 日本語 30件弱 |
| 地域・前提 | US中心、B2B SaaS営業の情報が多め。日本市場はBOXIL調査・パーソルBD検証・MiiTel事例が主要ソース |
| 情報の鮮度 | 2024年〜2026年2月の公開情報が中心 |
ソース偏りチェック
- ✓ 英語・日本語 各10件以上
- ✓ 成功と失敗の両面データあり
- ✓ 個人体験記を含む(bizreboot、ITmedia事例等)
- ✓ ブログ/個人サイト 30%以上
- △ コミュニティ体験談は間接的(G2/Capterra/Redditレビュー引用経由)
反対意見・異論
「AIの効果」について — ZoomInfo/HubSpotの高い効果データ(47%生産性向上、週12時間節約)は、AIを「うまく使えている人」のデータである可能性がある。Highspot調査では77%がAI投資中にもかかわらず28%しか改善を実感していない。つまり「効いている人のデータ」と「全体の実態」にはかなりの差がある。
調べきれなかったこと
- 日本のB2B営業に特化した業務別AI効果の大規模調査(BOXIL以外でn>100が見つかっていない)
- 議事録AIの顧客録音同意の実際の拒否率(データが見つからなかった)
- 業務ごとの「AI導入後に定着した率」(全体の定着率は報告されているが業務別は不明)
私の仮説(暫定)
5つの業務を並べて思ったのは、「AIが効くかどうか」は業務の種類よりも「使い方のパターン」で決まるんじゃないか、ということ。どの業務でも、「たたき台→人間が仕上げ」は効いていて、「丸投げ」は効いていない。そう考えると、本当に必要なのは「どのツールを入れるか」ではなく「どう使うかのルールを決めること」なのかもしれない。ただ、AIツールの自動化レベルは急速に上がっているので、今「丸投げできない」業務が半年後もそうとは限らない。
出典
英語圏
- LinkedIn: 2025 Sales Survey(via Cirrus Insight)
- HubSpot: State of AI in Sales 2024(via Cirrus Insight)
- ZoomInfo: State of AI in Sales & Marketing 2025 https://pipeline.zoominfo.com/sales/state-of-ai-sales-marketing-2025
- SaaStr: The Top 3 Reasons AI Sales Tools Don’t Work (Jason Lemkin) https://www.saastr.com/the-top-3-reasons-ai-sales-tools-dont-work-spoiler-they-actually-do/
- Skaled: ChatGPT for Prospect Research https://skaled.com/insights/chatgpt-prospect-research/
- Cognism: ChatGPT for Sales https://www.cognism.com/blog/chatgpt-sales
- B2B Outbound Systems: AI for Sales Reps Daily Workflow https://www.b2boutboundsystems.com/ai/ai-for-sales-reps-daily-workflow-automation.html
- Scratchpad: Sales Workflow 2025 Playbook https://www.scratchpad.com/blog/sales-workflow
- Highspot: State of Sales Enablement 2025(via HR Dive / CRM Buyer)
- MarketBetter: Best AI SDR Tools with Human Oversight 2026 https://marketbetter.ai/blog/best-ai-sdr-tools-human-oversight-2026/
- Loopio: Should You Use an AI Proposal Generator? https://loopio.com/blog/ai-proposal-generator/
- AutogenAI: Why Is Proposal Writing the Hardest AI Use Case? https://autogenai.com/blog/why-is-proposal-writing-the-hardest-ai-use-case-to-solve/
- Trident Proposals: Why ChatGPT Should NOT Write Your Next Proposal https://www.tridentproposals.com/blog/why-chatgpt-and-ai-should-not-write-your-next-proposal
- Demand Gen Report: Spotting Weak AI Content in Proposals https://www.demandgenreport.com/demanding-views/spotting-weak-ai-content-in-proposals-a-practical-guide/50994/
- Reprezent: We Tested 11 AI Pitch Deck Generators https://reprezent.us/en/blog/we-tested-11-ai-pitch-deck-generators-so-you-dont-have-to
- Beauhurst: Is ChatGPT Viable for Competitor Research? https://www.beauhurst.com/blog/ai-viability-competitor-research/
- Crayon: State of Competitive Intelligence 2024 https://www.crayon.co/blog/the-state-of-competitive-intelligence-in-2024-ci-meets-ai
- Klue: How to Do Competitive Analysis with ChatGPT https://klue.com/blog/how-to-do-competitive-analysis-with-chatgpt
- DHBR: 競合他社の隠れた重要情報を生成AIで見つけ出す方法 https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10205
- Sybill: Why Is Sales Call Summarization Hard https://www.sybill.ai/blogs/why-is-sales-call-summarization-hard-a-deeper-look
- Faegre Drinker: AI Meeting Assistants — Permission to Record https://www.faegredrinker.com/en/insights/publications/2025/2/permission-to-record-considerations-for-ai-meeting-assistants
- White & Case: AI Meeting Tools and New Governance Risks https://www.whitecase.com/insight-alert/when-every-word-recorded-ai-meeting-tools-and-new-governance-risks
- Jiminny: Conversation Intelligence FAQs https://jiminny.com/blog/conversation-intelligence-faqs
- tldv.io: Gong Review (20 Real User Reviews) https://tldv.io/blog/gong-review/
- Battlecard.com: How to Automate Battlecards with AI https://www.battlecard.com/blog/how-to-automate-battlecards-with-ai
- Capital One / Forrester: Data Quality Survey(Mountain Advocate経由)
- Cirrus Insight: AI in Sales 2025 Statistics https://www.cirrusinsight.com/blog/ai-in-sales
日本語圏
- BOXIL/スマートキャンプ: 営業のAI活用実態調査(n=389) https://boxil.jp/mag/a10614/
- BOXIL/スマートキャンプ: 生成AIの利用実態調査(n=9,734) https://boxil.jp/mag/a10546/
- パーソルBD: BtoB営業でChatGPTを試してみた https://persol-bd.co.jp
- セレブリックス: 営業職が最初に読むべき生成AI活用方法4選 https://eigyoh.com
- bizreboot.net: 営業がAIに期待しすぎると失敗する理由 https://bizreboot.net/sales-ai-failure/
- 三菱総合研究所: 生成AIによる提案書作成支援ツール開発 https://www.mri.co.jp/news/press/20240531.html
- MiiTel/セレブリックス: 150名導入事例 https://miitel.com/jp/case/2025/
- ITmedia: 新人「議事録はAIにやらせました」何がダメなのか? https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2510/06/news005.html
- ailead.app: 商談の録音で許可をいただく際の作法 https://www.ailead.app/blog/opportunity-recording
- KuraberuAI: ChatGPT競合分析プロンプトテンプレート5選 https://kuraberuai.fioriera.co.jp/useful-content/chatgpt-competitive-analysis/
- Salesforce Japan: 営業におけるAIの活用方法7選 https://www.salesforce.com/jp/blog/jp-sales-ai/
- JAPAN AIラボ: 営業を効率化する方法9選 https://japan-ai.geniee.co.jp/media/business-efficiency/3311/
- CSS-NET: 提案書の生産性と質を向上させた生成AI活用術 https://www.css-net.co.jp
免責
※ 個人の自由研究として調べてまとめています。特定のAIツールの推薦・非推薦を目的としたものではありません。 ※ 最終判断の前に、必ず一次情報をご確認ください。
AI活用について
この自由研究では、情報収集と整理の補助にAIを活用しています。 ただし、最終的な確認・記述・公開判断は人間が行っています。 重要な判断は、必ず一次情報で確認してください。